留学するなら安全なセブ？

セブは治安が良い？

セブへの留学を勧めるエージェントのサイトにはこんなことがよく書かれています。「セブは国際的な観光地で世界中から観光客がやってくる。そこで観光収入を確保するためフィリピン政府がセブの安全確保に力を入れている。なのでセブは治安が良くて安全だ。」と。それでこういった文章を読んでついつい納得してしまって、留学先をセブに限定してしまうのですが。

セブが安全なのか？決してそんなことはありません。それは上に挙げた文章を読めばよく分かります。「フィリピン政府がセブの安全確保に力を入れている」　つまり、政府が力を入れないと安全を確保できないような地域だということです。それでなぜセブは治安が良くて安心だとお客様にアピールできるのか？　私には理解できません。

実際の統計データを見ると、確かにセブはフィリピンの他の地域よりは治安が良いです。セブ州の殺人、強盗の発生率はフィリピン全土の発生率の3分の2、強姦に至っては半分です。ですがこれは逆に言うと、フィリピン全土に比べれば殺人や強盗の発生率が3分の1程度低いだけということです。そして日本と比較すると、強姦の発生率はほぼ同じですが、殺人の発生率は日本の8倍、強盗は2倍です。これのどこが安全なのでしょうか？

ですので、セブがフィリピンの他の地域より治安が良いということは否定しませんが、「セブは治安が良くて安全」というのは、さすがに言い過ぎだと思います。

ただ、セブの治安が必ずしも良くないということと、セブに留学するのが危険なのかというのは、まったく別の問題です。セブの学校はどこも安全なエリアに立地していますし、学校や寮の入り口はセキュリティガードが守っています。真夜中に酔っ払ってクラブのまわりをウロウロするとか、そういう自殺願望がある人は別ですが、セブで普通に留学生活を過ごしている限り、危険な目に遭うことはめったにありません。